モダンビンテージの考察 3着目 2/2

お世話になっております。

前回に引き続き、モダンビンテージの考察  3着目

オーストリアはチロル地方、伝統のチロルコートについて考えていきます。

「この暑い中、ウールのアウターかよっ!!」

そんなツッコミが聞こえてきそうですが、

開き直って 熱く、熱く お届け致します w

汗を掻きながら、どうぞお付き合い下さい。

さてさて、今回のチロルコート

注目すべきはなんと言っても、この素晴らしい素材ではないでしょうか、、、、

生地

チロル地方で2000年以上前から使用される伝統的な素材 

「ボイルドウール」

名前の通り、ウールをお湯に通し縮絨させ

フェルト状にした素材。

一見ではありますが、

現代ファッションでも一般的に使用される、圧縮ウールと同じようにみえますね、、、、、

(例 : モダンビンテージの考察 1着目でご紹介した生地が圧縮ウール)

ボイルドウールの特性として

保温性の高さや、耐久性など

優れた点は多々ありますが、

圧縮ウールとの大きな違いは、 縦横斜めに伸縮性がある ことでしょう。

ウールを絡めて圧縮した圧縮ウールは、一般的に生地に伸縮性がありません。

ボイルドウールを平たく表現すれば、編んだニットをお湯で圧縮したイメージでしょう。

「セーターを洗濯機と乾燥機にかけて縮ませちゃった!!!」

                 (絶対にやらないでくださいね w)

誰しも一度は経験のあるこの表現すれば、わかりやすいかと思います。

(※ちなみにボイルドウールはお湯でご自宅で洗えます。元々生地をボイルしているので当たり前といえば当たり前ですが)

伸縮性はない一方、耐久性に定評のある圧縮ウールに対し

厚みはありながらも、伸縮性がありストレスフリーで軽やかな着心地のあるボイルドウール。

ボイルドウールを使用することで、コートの構造にも影響があります。

構造

そう、裏地がありません。

このコートに限らず、一般的なチロルのアウターには裏地がありません。

基本的に裏地に使用される生地には、伸縮性ありません。

裏地をつけることで、伸縮性を失いボイルドウールの特性を失うことになります。

表地は伸びるのに、裏地が伸びない、、、、、、、、

この生地を生かす為には裏地は不要、そして最大限の工夫でもあります。

また裏地がないことで、一層ミニマルな雰囲気を演出しています、、、、、、、

うーん、、、、、モダンです

大きなボリュームのあるフードに

絞りの一切ない、ボックス型のシルエット

 シンプルなセットインスリーブに大きくとったのアームホール

 写真だと確認がわかりにくいのですが、肘にダーツをとり立体感をだしています。

ディティール

このコート全体の特徴として、

布端のロックミシンの縫い目を裏に隠さず、表にデザインとして見せていることです。

シンプルなデザインにロックの縫い目がアクセントになっています。

そして縫い代の厚みをなくすことで

一枚のブランケットを纏っているような、軽やかな感覚にさせてくれます。

いやぁ、、、、 、、モダンです

このコートのデザインの最大のキモとなっているのが、このボタンでしょう。

ビンテージのオーストリアの銀貨を加工したボタンです。

オーストリア・シリングという1999年まで使用されていた、オーストリア通貨です。

ちなみに現在はユーロが導入されていますので、オーストリア・シリングはありません。

このオーストリア・シリング

ミニマルなデザインと、深く美しいネイビーに

さりげなくも上品に、

鎮座されておられます、、、、、、

モダンです!!!!!